9:情報の筋道/NFTの裏道

メタバースへの関わりを軸にして、Web3に関する情報を少しづつ集めていきました。

もちろんニュースなども見ましたが、情報の要は『人』だと思います。
わたしは電子書籍ブームの頃から、湯川鶴章さんというテックライターの方を信頼していて、その発信を追いかけ続けています。
Web3に関しても、湯川さんの情報にとても助けられました。

https://www.facebook.com/tsuruaki.yukawa

湯川鶴章さん


gumiの國光宏尚さんやMITメディアラボ所長の伊藤穰一さんの著作を知ったのも、湯川さん経由でした。

それらの書籍は、Web3の全体像を把握するのに、とても役立ちました。

そんな風にして、少しづつ情報を集めたことで、NFTアートに対して距離を縮めていった感じです。

そして、全体の輪郭が見えてきたところで、「ともかく、暗号通貨にさわってみないとな」と思いました。

8:メタバースの美術館/NFTの裏道

『スペーシャル入門』講座をnoteやfacebookで告知すると、すぐに何人かが申し込んでくれました。

中でも、若林薫さんと幸枝さんご夫妻は、とても熱心な生徒さんでした。
薫さんが画家で、その作品を使って妻の幸枝さんが美術館をつくることを目指されたのです。
何につけ、目標が明確なのは進みがいいですね。
3週間の講座期間が終わると、みごとにメタバース美術館をオープンされました。
それが、こちらです ▼▼▼

https://spatial.io/s/Wakabayashi-Kaoru-Art-Museum-62baad94eb8435000143f716?share=3505437571926948767

メタバース美術館


自分の伝え方が間違っていなかったと思えると同時に、一緒にメタバース制作の道を進んでくれる同志ができたことは、とても嬉しいことでした。
ちなみに、若林ご夫妻は、その後も立て続けに2つの美術館をつくられました。
いずれも、愛にあふれた美術館だと思います。

https://spatial.io/s/akuriruHua-Duan-Bian-Wu-Yu-Mei-Shu-Guan-62c669ce2897ef00011efd5f?share=7429028708268685891

メタバース美術館

https://spatial.io/s/Ruo-Lin-Xun-Zao-Xing-Mei-Shu-Guan-62f9a967abce1e00010f6902

メタバース美術館



その後もしばらく、自分のスペースをつくりながら、メタバース/スペーシャルに興味を持たれる方のサポートを続けました。

ちなみに、こちらがその講座です ▼▼▼

メタバース講座

7:スペーシャルの入門講座/NFTの裏道

スペーシャルは、本当によくできたサービスです。

https://spatial.io/

Spatial


もともとはチャット・システムとしてスタートしたらしく、アバターを使ってのコミュニケーションが基本機能となっています。
ただし、出色なのは、アバターのいる空間を自由につくれることです。

しかも、何もないところからつくるのは大変ですが、スペーシャルにはいくつかの空間(主に、ギャラリーと会議室)がフォーマットとして準備されています。
つまり、建物からつくる必要はないのです。
出来上がっている空間に物(の立体データ)を置いたり、壁に絵や動画(のデータ)をかけられるので、とても簡単に展覧会場がつくれる、という仕組み。
インテリア・コーディネーターをイメージしていただくと善いと思います。


もともと美術畑にいて、リアルな個展やグループ展をやっていたわたしには、それはとてもイメージのしやすい使い方でした。
そして、スペーシャルを使えば、『誰もが、自分の大切にしたい物を飾っておける空間をつくれるんじゃないか?』
それこそ、わたしがメタバースに感じた大きな可能性です。
そのことに関する企画ページはこちら ▼▼▼


たとえばアイデアと資本力があり、実現したい世界がある人や企業は、どんどん新しい世界を構築していけばいいと思います。
ただし、その場合にはやはり『集客』が課題になってくるので、『相変わらずそこで悩むんだったら、リアルと変わらないなぁ』とも感じます。
むしろ、個人ユースにこそ、メタバースのおもしろさはあるのではないでしょうか?

幸い、スペーシャルはとても簡単に操作できるシステムです。
そこで、何をしていくにせよ、『まずは、スペーシャルを使える人を増やすことが肝要ではないだろうか?』と考えました。
自分がある程度使えるようになった段階で、筋道を整理し、3週間で習得できる『スペーシャル入門』講座をつくった理由です。
その講座のご案内ページは、こちら ▼▼▼

メタバース講座

6:まずはメタバースへ/NFTの裏道

2022年に入り、NFTアートにひかれながらも、わたしの興味や活動は一旦メタバースに向かいました。
今から思えば、そこに『つくる』要素があったことが大きかったのだと思います。

とかくメタバースは、大がかりな仕掛けがイメージされがちですが、実際には個人でスペースをつくったり飾ったりできるサービスもたくさんあります。
『Spatial/スペーシャル』もその1つでした。
いくつかのメタバース・サービスを体験してまわっているうちに、たまたま出会ったと記憶しています。
登録すると、自宅(として使える)スペースにアバターで放り出されるのが印象的でした。

https://spatial.io/

Spatial


多くのサービスが、でき上がっている空間に導かれるので、まずはアウェイ感から始まるんですよね。
その点、ホームを出発点にしてくれるスペーシャルは、とても気持ちが楽でした。
他にもいろいろと善いところはありますが、この最初の気遣い(というか、おもてなし感)はかなり突出していると思います。

以降、半年ほど、スペーシャルに関する活動が中心になり、Web3に対する自分の軸になっていきました。

5:NFTへ向かうきっかけ/NFTの裏道

自動運転に興味を持ってから、しばらくテスラの動向を追いかけていました。
知れば知るほど、イーロン・マスクという人はおもしろく、とても刺激的でした。
川崎にあるディーラーで、実際にテスラに試乗させてもらったりもしましたよ(笑)


一方で、メタバースやNFTについても、少しづつ情報を集めていました。
特に、デジタルデータの唯一性を担保するNFT(Non-Fungible Token:代替不可能なアイテム)は画期的で、「あっ。違う時代に入ったな」と感じたものです。

わたしが大学生の頃(1980年代)には、ヴァルター・ベンヤミン氏の複製技術時代の芸術がとても重要な文献でした。
骨子は『複製された物にはオリジナルの持っているアウラがない(ベンヤミン自身はそれを肯定的に捉えていた)』という指摘ですが、それって『物質』に対して『価値』をつける風潮がある、ってことなんですよね。
わたしは、その『物質崇拝』に違和感があったので、ブロックチェーンによってデジタルデータのオリジナリティが保証されるという仕組みに、特にそそられたのだと思います。
つまり、『考え』『発想』に直接価値がつけられるイメージです。

また、デジタルデータを『つくる対象』にできる点も魅力的でした。
というのも、わたしは作品に限らず、料理や計画など、何かを『つくること』が大好きなんですが、物理的な作品づくりは環境への負荷という点で、常に小骨がのどに引っかかっる感じがあったんです。
けして、他の人の創作活動を否定するつもりはないのですが、アートが人生のプラスアルファであるならば、それはできるだけ環境負荷の低い形であってほしい(と、わたしは感じるのです)。
たとえば、絵具のいくつかの色(特にカドミウム系)を洗い流す時には、ほんのりとした罪悪感がともないます。
かと言って、ポリタンクに入れて保管しておくほどの物ではなく・・・。

デジタルデータにしても電力を消費するわけですから、オールOKというわけではありませんが、環境への負荷イメージが物理的な作品づくりよりも(わたしの場合は)大きくありません。
その問題は美大に在籍していた当時からずっとかかえていた悩みだったので、その点でもNFTアートは魅力的だったのです。


とはいえ、直接NFTに関わるつては何もなく、『おもしろい』と思いつつ、半ば放置していました。

そんなわたしがNFTアートに踏み出すきっかけになったのは、『美術手帖』の2022年12月号でした。

端的に、わたしのNFTアートの出発点は、この1冊からだったと言えます。

すでに情報に通じている人からすれば、「ようやく」だったのかもしれませんが、情弱だった人間にとっては「よくこれだけ集めたな」というほどの網羅的な内容でした。
ただし、『出発点』とは書いたものの、暗号通貨にもまったく関わったことがなかったので、『ウォレット(Web上のお財布)をつくるところから』というハードルの高さ。
要は、すぐには動けず、その後も4ヶ月間ほど静観した感じでした。

一方で、facebookが社名を『Meta』に変更したこともあり、メタバースへの興味は一気にふくらんでいきました。