19:とにかく1,240個をつくってみた/NFTの裏道

メタプレックス(の中にある「オーラプレックス」というサービス)で無事にミントができることを確認して、本格的に作品制作に取り掛かりました。
その先にも『つまずくところがある』ことは予想されましたが、すべてを確認してから進み始めるのは、この場合には得策ではありません。
どこまで行っても、状況が『オールOK』になることはないからです。
また、本番だと思って挑まなければ、見えない光景(というか、問題)もあります。

そこで、予定していた1,240個の作品をコツコツつくり始めました。
進捗に使ったメモはこんな感じです。


作品の性質上、単調な制作作業に思えるはずですが、ゾロ目を見るのはやはり楽しく、独特な活動です。

ただし、扱っているのが数字なので、落語の『時そば』のようになることがあります。
実際にあったミスですが、表示している数字を確認しながら色を調整していたら、色の数値ではなく、表示の数字を入力してしまったり・・・
リストアップの時に、価格を表示の数字にしてしまったり・・・
まさに、『時そば』ですね 😊

いろんなことはありましたが、クローズドな環境で作品をつくることに関しては、それほど大きな『お困りごと』はおきませんでした。

18:ミントのテスト/NFTの裏道

作品をつくり込む前に、一度市場に上げるまでのテストをしてみることにしました。
というのも、何がどうなるのか、よくわかっていないので、1,240点をつくってみた後で、何かが「いや、こうじゃなかった」となるのは嫌だったからです。

そして、実際にミント(=ブロックチェーンへの登録)をしてみたのが、2022年の8月。
本シリーズ1話のタイミングになります。
つまり、この時点で振り返りから進行形にほぼ追いついた形です。


肝心のミントについては、メタプレックスというサイトの中にあるオーラプレックスというサービスを使いました。
アップしようとしているマーケット・プレイスはマジックエデンですが、マジックエデンでミントをするわけではなく、メタプレックスを使うよう誘導されたのです。

そもそも「何故、マジックエデンなのか?」と言えば、そこがソラナの主要なマーケットプレイスだから。
イーサリアムやポリゴンを使うのであれば、やはりオープンシーだったと思います。
このあたりの選択は、人によってそれぞれでしょうね。
情報収集も大切ですが、やはりご縁の連鎖だと思います。


なお、マジックエデンは、こちら ▼▼▼

https://magiceden.io/

MagicEden


メタプレックスは、こちらです ▼▼▼

https://www.metaplex.com/

Metaplex

17:市場に向けての工夫/NFTの裏道

さて、作品の具体的なヴィジュアルに関してです。

わたしは長い間、2つの数字が持つ形の関係性に惹かれてきました。
なにごとにつけ、バランスの取れた状態が好きなので、特に「00」「88」にグッときます。
実際の作品は、こんな感じです。

NFTアート


ただし、自分の好きな数字だけを提示するのは、これまたバランスを欠いています。
よって、1つのシリーズは「00」から「99」までの100個が1単位となりました。

一方、NFTアートの市場は肖像画の人気が高い世界です。
「そうじゃなければいけない」わけではありませんが、ここまで抽象度の高い作品はあまり見かけません。
将来的にはわかりませんが、「現状ではスルーされる可能性が高いだろうな」と思いました。


ところで、ものすごく極端に分けると、作品は「売れない(かもしれ)ないけれど、自分のこだわりが強いもの」「売れるけれど、自分のこだわりが少ないもの」に分かれます。
もちろん、その間にいろんな階層がありますし、「自分のこだわりを全面的に出して、売れる作品」もあるでしょう。
どのあたりに自分を位置づけるかは、善い悪いではなく、そこまで含めて作家の個性だと思います。

わたしの場合は、自分のこだわりをコアにしますが、それがそのままでは「おそらく売れないだろう」と感じます。
上記したような『2桁の数字の関係性』にウットリするような感性は、やっぱりちょっと特殊だと思うからです。
そのおもしろさを解説したり、共感を得るための努力もしますが、一方で『興味を持ってもらうための、わかりやすい工夫』も必要だと考えました。
NFTアート市場が肖像画中心の世界であるならば、その要素を加えるのが善いだろう、と。

そこで、各数字の印象にあわせて女の子の表情を描き、その顔を数字と重ねる形のビジュアルをつくりました。

NFTアート


加えて、それぞれ固有の背景色にすると、一気に組み合わせの数はふくらみます。

数字か顔かの2択、背景色の2択にそれぞれ100個の組み合わせると、作品群全体では1,600個になります。
ただし、顔同士の組み合わせは斜視や寄り目をつくりますし、口の形もずれて意図しない効果が出ていますため、顔同士はゾロ目に限定をします。
結果として、1,240個の作品が1シリーズとなりました。

NFTアート

この作品群に関するコンセプト美術館はこちらです ▼▼▼

https://spatial.io/s/Dian-Suan-Shu-Zi-Mei-Shu-Guan-_AB-631e8150af7533000179651b?share=4711146196612059288

電産数字美術館

16:作品の準備/NFTの裏道

さて、ここまではもっぱらNFTアートを販売するための準備について書いてきました。
暗号通貨の交換所やウォレットに関してですね。
今後はそこにマーケットプレイスが加わり、その都度いろんな問題につまずくことになりますが、このあたりで少し作品についてもふれておきたいと思います。
というのも、マーケットプレイスは文字通り『市場』ですから、そこでどんなものを売るかも重要だからです。

作品に関しては、オーソドックスな平面画像。
ただし、コンセプトアート色が強いので、ちょと哲学的・パズル的な内容になっています。
テーマは『デジタル数字』です。

実は、発想自体は四半世紀ほど前にさかのぼります。
美大生の頃に読んだ、高山宏さんの著書『メデューサの知』に掲載されていた『普遍言語』運動が発想のきっかけでした。
普遍言語というのは、物と一対一対応で存在する言語体系で、しかも名称を知れば、それがどんなものかわかるという画期的なシステムです。
もちろん、実際にはそんな離れ業はできるはずもなく、言語学者たちの見果てぬ夢だったのですが、発想自体はとてもおもしろいですよね。

そのことに触発されて、アルファベットの対称性を使って作品名とイメージを関連づけられないか考えたのが始まりでした。
しかし、アルファベット26文字は要素が多過ぎた上に、形の整合性・関連性が薄く、うまくいきません。
続いてチャレンジしたのが、デジタル数字だったのです。
やってみると、デジタル数字の形には、いくつもの偶然が潜んでいました。
特に、対称性です。

デジタル数字は、対称性により2個づつ/5組のカップルに分けることができます。
具体的には、『0と8』『1と3』『2と5』『4と7』『6と9』
それぞれの特徴は、以下の通りです。

0と8:それぞれが、上下左右の点対称かつ線対称です

1と3:それぞれが、上下の線対称です

2と5:お互いに、線対称の関係にあります

4と7:いかなる対称構造も持っていません

6と9:お互いに、点対称の関係にあります

わたしは人知を超えた『偶然』に接することが大好きで、そのことに大きな喜びを覚えます。
デジタル数字の対称性は、誰かが意図的に設計したものではなく、人類全体でつくり上げた『偶然』なんですね。
それは『誰のものでもないセレンディピティイ(素敵な偶然)』だと言えるでしょう。

そして、デジタル数字には、構成要素の入れ子構造や要素の数にも、おもしろい系統関係が隠れています。
そんなこんなのシュールレアリスム的イメージを集めた美術館を、まずはスペーシャルでつくりました。
以下が、そのリンクです。
スペースに入ると、自動的にアバターを割り振ってくれますので、安心してお入りください。

https://spatial.io/s/Dian-Suan-Shu-Zi-Mei-Shu-Guan-_AB-631e8150af7533000179651b?share=4711146196612059288

電産数字美術館

15:FTXの不具合と対応/NFTの裏道

この操作に取り組んだ当時、日本円が直接ソラナに交換できるところはFTXしかなかったので、要するに選択肢は『一択』でした。
その後、ほどなく複数の交換所が対応し始めたので、なかなかユニークなタイミングだったと思います。

そして、FTXにしても、それほどソラナの扱いは多くはない印象でした。
というのも、口座を開くまではスムースだったものの、その後の操作で四苦八苦することになったからです。


最初につまずいたのは、FTXの口座情報が振込先が表示されないことでした。
何度やってもうまくいかないので、最終的にサポートセンターに連絡してみたところ、どうやらシステム上の不具合。
必要な入力情報もFTX側で対応してくれて、ことなきを得ました。
追記しておくと、この件の対応は非常にすばやく、またやりとりしたメールもとても丁寧なものでした。
ですから、不具合は不具合として、わたしのFTXへの印象は悪くありません。


ところが、さらなる不具合が起こります。
今度は、FTXに送金した円をソラナに交換した後、そのソラナを自分のウォレットに送ろうとしたら、送金画面のソラナが『0』になってしまうではないですか・・・。
無くなったわけではなく、口座の表示にはきちんと残量が出るのですが、送金画面には残高が反映されないのです。

おもしろいもので、最初に問い合わせた時にはけっこう恐る恐るでしたが、2回目ともなると、平常心で聞けるものですね。
結果、『ブラウザの再起動』『マシンの再起動』などを試してみるように言われましたが、いずれもダメ。
苦肉の策というべきか、最終的には、画面の表示を『ベーシック』から『プロ』に切り替えてみて欲しいと連絡が来ました。
これまた、やっぱりバグなんでしょうが、驚いたことにプロ表示にしたら、送金画面にも残高が表示されたのです。


この時も、不具合は不具合として、やりとりしている間の申し訳なさがヒシヒシと伝わってきて、引き続き好印象だったことを付け加えておきます。


ちなみに、FTXへの入出金は登録者名義の銀行口座としかできません。
わたしは、NFTアートの取引は会社として行いたいと思っていたので、個人口座を開いた後、法人でも口座を開くことにしました。
法人の場合は、個人の身分証明に加えて、法人登記の書類が必要になります。
何故、法人として活動したいかというと、「おそらく税務が面倒なことになるだろう」と考えたからです。
暗号通貨に関しては、税制自体がまだまだ追いついていないようですが、いずれにせよ税理士さんに相談しながらの方が、間違いないだろうと考えました。