17:市場に向けての工夫/NFTの裏道

さて、作品の具体的なヴィジュアルに関してです。

わたしは長い間、2つの数字が持つ形の関係性に惹かれてきました。
なにごとにつけ、バランスの取れた状態が好きなので、特に「00」「88」にグッときます。
実際の作品は、こんな感じです。

NFTアート


ただし、自分の好きな数字だけを提示するのは、これまたバランスを欠いています。
よって、1つのシリーズは「00」から「99」までの100個が1単位となりました。

一方、NFTアートの市場は肖像画の人気が高い世界です。
「そうじゃなければいけない」わけではありませんが、ここまで抽象度の高い作品はあまり見かけません。
将来的にはわかりませんが、「現状ではスルーされる可能性が高いだろうな」と思いました。


ところで、ものすごく極端に分けると、作品は「売れない(かもしれ)ないけれど、自分のこだわりが強いもの」「売れるけれど、自分のこだわりが少ないもの」に分かれます。
もちろん、その間にいろんな階層がありますし、「自分のこだわりを全面的に出して、売れる作品」もあるでしょう。
どのあたりに自分を位置づけるかは、善い悪いではなく、そこまで含めて作家の個性だと思います。

わたしの場合は、自分のこだわりをコアにしますが、それがそのままでは「おそらく売れないだろう」と感じます。
上記したような『2桁の数字の関係性』にウットリするような感性は、やっぱりちょっと特殊だと思うからです。
そのおもしろさを解説したり、共感を得るための努力もしますが、一方で『興味を持ってもらうための、わかりやすい工夫』も必要だと考えました。
NFTアート市場が肖像画中心の世界であるならば、その要素を加えるのが善いだろう、と。

そこで、各数字の印象にあわせて女の子の表情を描き、その顔を数字と重ねる形のビジュアルをつくりました。

NFTアート


加えて、それぞれ固有の背景色にすると、一気に組み合わせの数はふくらみます。

数字か顔かの2択、背景色の2択にそれぞれ100個の組み合わせると、作品群全体では1,600個になります。
ただし、顔同士の組み合わせは斜視や寄り目をつくりますし、口の形もずれて意図しない効果が出ていますため、顔同士はゾロ目に限定をします。
結果として、1,240個の作品が1シリーズとなりました。

NFTアート

この作品群に関するコンセプト美術館はこちらです ▼▼▼

https://spatial.io/s/Dian-Suan-Shu-Zi-Mei-Shu-Guan-_AB-631e8150af7533000179651b?share=4711146196612059288

電産数字美術館

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