『AIパートナー』という響きから、すぐに想像されるのは『人型』だと思います。
友達のような、恋人のような、秘書や執事のようなAIが一緒にいてくれたら、心強いですよね。
ただ、『人型』ってムチャクチャ費用がかかりそうです。
家の中にいてもらう分にはまだいいんですが、一緒に外出したら、すべてにおいて二人分の費用が発生します。
交通費が顕著ですね。
なので、富裕層向けのタイプになるんじゃないか、と。
また、開発にかける情熱も必要です。
何か、やむにやまれぬ理由がなければ、ビジネスベースの発想だけでは『人型』の開発は難しいと思います。
たとえば『亡くなった人にもう一度会いたい』という想いですね。
手塚治虫さんの『アトム』は、天馬博士が交通事故で亡くした息子をよみがえらせようとしてつくったロボットでした。
同じように、このメーカーの設定は、創業者が亡くなった妹を想ってつくったことにしています。
イメージの源泉は、大瀧詠一さんの『君は天然色』です。
この曲はなんだか浮かれた調子に聞こえますが、実は作詞した松本隆さんが亡くなった妹さんを想って書かれた曲なんですよね。
そのことを知って聞くと、明るい調子なのに、かえってその明るさが涙を誘います。
そして、この会社の本社は、新潟県長岡市におきました。
というのも、長岡と言えば日本三大花火大会の一つですが、その花火は戦死者の慰霊として打ち上げられているからです。
花火の美しさもさることながら、観覧者のマナーが際立っているのは、娯楽というよりも敬虔な祈りがベースにあるからなのでしょう。
このメーカーには、そういう場所がふさわしいと思いました。
ちなみに、山下清さんのちぎり絵『長岡の花火』も、本当にすばらしい作品ですね。