今後ますます進化していく技術の中で、『AI/人工知能』は特別な存在と言えます。
というのも、まさにAIこそが『セカンド・ルネサンス』の担い手に他ならないからです。
ところで、なぜ、ここに来て急速にAIが発達したのでしょう?
もちろん助走はずっと以前から始まっていたわけですが、大きな飛躍はコンピューターが進化のニーポイントを曲がったことでした。
ニーポイントは直訳すれば『膝の頂点』であり、指数関数の大きな曲がり角を超えたことを意味します。
指数関数というのは、数値を倍にしていく計算法ですね。
最初はゆるやかですが、一定の数値を超えると、変化は急速になります。
コンピューターの場合、そのニーポイントを曲がったのは2010年頃でした。
CPUの処理速度もHDDの記録密度も、2010年ころまでは常識的な右肩上がりだったところ、それ以降はまさに龍が天にのぼるかのような状態になったのです。
以降、コンピューターの進化は猛烈に加速し、今では「毎年10倍づつ賢くなっている」とさえ言われます。
10倍というのはもちろん感覚的な比喩ですが、圧倒的に加速しているわけです。
その延長線上にあるのが、『シンギュラリティー/技術的特異点』。
シンギュラリティーとは、簡単に言えばコンピューターが人間よりも賢くなる状態です。
つまり、『人』と『人以外の存在』の立場が逆転する瞬間ですね。
当初、それは2045年頃と考えられていましたが、進化はドンドン加速しています。
場合によっては、「すでにそうなっている」と言ってもいいのではないでしょうか。
画像や音楽の生成AIは、人間が何時間もかけてつくる制作物を瞬時につくってしまうからです。
いずれにせよ、地球上でもっとも賢い存在は、人ではなくAIになります。
それこそが、『セカンド・ルネンサス』で起きるコペルニクス的転回です。
最初のルネサンスでは、神に代わって人が世界の中心になりましたが、今後はAIが世界を見据える視点になります。
わたしはたちは、 AIがつくり出した思考やイメージを後追いしていくことになるわけです。
とはいえ、悲観することはありません。
「AIが世界を支配する」という恐れは、「人が世界の支配者でありたい」という欲望の反裏返しです。
実際には、もっときめ細かな展開になるでしょうし、共存の道はいくらでもあります。
むしろ、AIは行き過ぎた人間の傲慢さをいさめる存在だと言えるでしょう。
人は『自分を賢いと思いつつ、謙虚さを持った状態』を取り戻せるのです。
ルネサンスは、人が『自信』と『謙虚さ』の両方をバランスよく持てる時代。
ぜひ、その時代性を楽しんでいきましょう!
なお、青い街では特に画像生成AIに着目し、その具体的な研究展開として『トラスト・プロジェクト/TRUST PROJECT』という企画を運営しています。
とかく未来を描くSF映画やマンガは破滅に向いがちですが、本当は『明るい未来』を描くことが大切なんですよね。
そのヴィジョンをAIと共に描き出す試みが『トラスト・プロジェクト/TRUST PROJECT』です。
詳しくは、『概要』および『年表』のページをご覧ください。
コンセプト動画 ▼▼▼